86-DOSは、16ビットのディスクオペレーティングシステムである。元々はシアトル・コンピュータ・プロダクツ(Seattle Computer Products : SCP)から販売されたIntel 8086ベースのコンピュータ・キット用に、1980年にティム・パターソンが4ヶ月で開発した。最初のPC DOS(MS-DOS)は、86-DOSをベースに作られた。86-DOSはコマンドの一部がCP/MとOS/8と共通しており、APIもデジタルリサーチ社のCP/Mに似ているため、プログラムの移植が容易であった。
86-DOSは発売前にはQDOS(Quick and Dirty Operating System、即席で粗雑なオペレーティングシステム)と呼ばれていたが、シンクレア・リサーチ社のSinclair QLコンピュータ用OSであるQDOSとは無関係である。