ping of death(しばしばPoDと略記される)とは、規格外や悪意のあるpingを送りつけることによる、コンピュータシステムへの攻撃の一種である。
通常であればpingパケットのサイズは56バイト(IPヘッダを入れて64バイト)である。また、Internet Protocolを規定しているRFC 791では、(pingを含む)全てのIPv4パケットの最大サイズは65,535バイトと規定しており、多くのコンピュータシステムは最大パケットサイズを超える大きさのpingパケットを適切に処理できるように設計されていない[1]。しかし、IPフラグメントの仕様の欠陥をついて最大サイズを超える大きさのpingを送信することができ、これを受信したコンピュータでバッファオーバーフローが発生して、システムがクラッシュする可能性がある。
TCP/IPの初期の実装では、このバグは悪用されやすく、Unix、Linux、Macintosh、Windows、および周辺機器を含む様々なシステムに影響を及ぼす可能性がある。ファイアウォールなどでping of deathへの対策が施されるようになると、pingを利用したping floodと呼ばれる別の種類の攻撃が行われるようになった。これは、通常のトラフィックがシステムに到達できないほど多くのping requestを対象のコンピュータに送りつける、DoS攻撃の一種である。